金といえばクリムトっしょ!クリムト展行ってきた。-絵画の良さって?-

こんにちは。GWどうお過ごしですか?

 

ゴールデン記念ということで、

昨日は東京都美術館で開催中(7/10まで)のクリムトにいってきました。

 

特に美術的素養が高いわけではないですが、学生時代熱心に教えてくれた先生の影響で、絵画を見るのが好きでして。

なかでもクリムトは西洋画のなかで1、2を争うお気に入りなので、今回の展示は心待ちにしていました!

本当は誕生日に記念でいこうと思ったけど我慢できなかったよ。

 

今回の展示にきてよかったなと思う展は2つ。

クリムト本人の人生の軌跡を知ることで、絵に込められた意図をより知れる

②スケッチなどの過程・実物の筆致を見れた

 

①について。

写真ではなく、絵画だけにある良さってなんでしょう?

答えは個人個人で違うと思いますが、私は「画家個人の感情・世界の見方が伝わること」です。

同じものを別々の人がみたとき、視覚的には同じでも、感情次第で違った捉え方としますよね。そういった言語化できない微妙な感情も、描くことで表現できる。(音楽でも言えますね。)

私は私の捉えかたしかできないので、他人の感情を知りたい。

言葉・音楽・ダンス、、どれが一番感じ取りやすいかは人それぞれですが、私は幼い頃絵を描くのが好きだったので、絵画でした。

ターナーの感じた風は暖かく柔らかっただろうな、とか。

ですので、写実的・技巧的な絵画よりも最近では近代の画家のが好みだったりします。

クリムトもその一人。

クリムトは人物、特に女性の絵の多い画家ですが、どの女性もとても生き生きと描かれているんですよね。この人はどう歩いて笑って話をするのか想像がつくような。

展示のなかではクリムトの年代ごとに展示し、クリムトの状況やその時の周囲の人も紹介することでどのような影響でできたのか、どんな意図でかかれたのがわかりやすくなります。そうすると、今まで見ていた絵がまったく違った印象で見れたり。

直感のままに観るとこも正解ですが、画家に共感したい私のような人には、展示はいい機会です。

絵のルーツを知るのも勉強になりました。

クリムトジャポニズムの影響を受けたことはよく知られていますが、それは金工師の家系に生まれたこと・装飾の得意な師の元で学んだこと、それらのバックボーンがあってこそ日本の金箔や日本のテキスタイルに興味を持ったんだろうな、とか。

 

②について。

絵の印象を変えるもの、感情を読み取るもう一つの方法は筆跡をみることだと思います。

画家の計算のもとなりたっているので一概には言えませんが、絵の具が丹念にぬり込めれているところ・より緻密に描かれているところは、画家としても訴えたいところだと思うので。

わかりやすい絵だとゴッホなんて、もう気が向くままにベッタベッタ塗ってるので、その描いた時を想像してエネルギーにやられてしまいます。笑

今回の展示で描写で一番印象的だったのは、ポスターにもなっているユディト。

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Judith (1901)

題材のユディトとは旧約聖書に出てくるユダヤの女傑。

美しい未亡人でしたが、村が襲われた際に敵将の元に行って誘惑し、村を守るため首を刈り取ったという逸話があります。

男の首を刈る女性は聖書にたびたび出てきますが、ユディトは正義側として描かれているほうです。(同じような逸話でもサロメは悪女で有名です。)

 

絵を見て感じるのが、官能性・狂気・熱。

煌びやかな装飾の金箔・金縁を魅惑的ですし、それらが平面的に描かれている分、立体的にかかれたユディトの肌に目がいきます。

そこで驚いたのが肌の筆跡。ポスターでは気がつきませんでしたが、炎のように赤と青の波線が縦に細かく描かれて肌を形づくっていて、血液が天にむかって沸き立っているかのように感じました。

加えて目も口も半開きになったあの表情。殺人と勝利の恍惚・快感にひたっているようです。

まさにファム・ファタールといった感じ。

こんな表情が描けるなんて、本当にクリムトは女好きで女をよく視ていたんだろうなあ。

ユディトの逸話を一応触れましたが、どうも逸話の意味をもたせる気はないようにも感じます。正義の女傑!という様子には見えないし、そもそもホルフェルネス将軍の首も暗いし見切れてるし。男に興味なさすぎだろ、クリムト。笑

 

自分の髪まで逆立つような感覚、ぜひともユディトに直接お会いして感じてみてください。

では。